5級 〜安全に斜面を下りる技術〜
5級では、スノーボードのスピード制御と、人や障害物を避ける技術をトゥサイド/ヒールサイドの両方で評価します。
スノーボードを起こす量(ロール)の制御と、それに対応するバランスを身につけましょう。また、スノーボードを起こした状態でスノーボードの向きに変化を加えると、トラバースやぺンジュラムなどに変化することを理解しましょう。
斜面を滑り下りながらサイドを入れ替える技術を身につけると、滑走の疲労も軽減できます。安全を第一に斜面を下りる技術が最も重要な課題です。
サイドスリップ〜ストップ
(トゥサイド/ヒールサイド) 緩斜面
スピードの制御と意図した場所での停止を、両サイドともに行なう
左右の足への荷重配分や、それぞれの足でスノーボードを起こす量を調節しながらスリップ状態を維持して斜面を滑り下りましょう。
安全なスピードで滑り下り、自分の意思で停止できるようになりましょう。
トゥサイド/ヒールサイド、両方のコントロールを身につけましょう。
フリーラン 緩斜面
人や障害物を避けて斜面を安全に降りる
スリップ状態を基本に、トラバースやペンジュラムなどを使って、スピードを制御しながら目的の場所まで移動し、安全に停止する技術を評価します。
どちらのサイドからスタートしても構いませんが、滑走しながらのサイドの入れ替えを必ず一回は入れてください。サイドを入れ替える方法は問いません。
4級 〜フォールラインへの対応技術〜
スノーボーディングは、フォールライン方向へ滑り下りる力を利用する技術が基本となります。フォールラインへ向いたスノーボードの向きを変えて減速させる技術、また、その逆に斜面に対して横向きの状態からフォールライン方向へ導く技術を習得しましょう。
スノーボードをフォールライン方向へ向けていき、トゥサイドとヒールサイドを交互に入れ替える連続ターンの技術は、山全体を滑走フィールドにするための技術として、もっとも汎用性の高い技術です。サイドを入れ替えるための一連の動作を慌てずに行ないましょう。
ストレートランニング〜ストップ
(トゥサイド/ヒールサイド) ゆるい斜面
意図した場所での停止を両サイドとも行なう
フォールライン方向へ向かって真っ直ぐ滑り、自分の意思でスノーボードを動かして安全に停止しましょう。ストレートランニングから左右に曲がりながら停止しても構いませんが、自分の意思で停止しているかを評価します。
スタート方法は問いません。トゥサイド/ヒールサイドの両方を行ないます。
フリーラン 緩斜面
両サイドのターンを連続して行なう
トゥサイド/ヒールサイドそれぞれのターンを連続して行なう技術を評価します。
安全なサイドの入れ替えを行ない、目的の位置までターンを連続させて移動し、停止します。ターンの大きさやリズムにばらつきがあっても構いません。安全なサイドの入れ替えとスピードの制御、安全な停止が評価の対象です。
3級 〜リズムを制御する技術〜
自分の意図したタイミングで連続ターンを行ないましょう。スノーボードを動かすタイミングを制御できれば、より安全でスムーズな滑走を楽しめます。
ターンを始めるタイミングを整え、滑走のリズムをつかむことが大切です。その際に、ターンの中でどれ位横に移動するか、次のサイドの入れ替えをどこで行なうかをイメージするために、1ターンの落差と横幅からなるターンスペースをイメージすると良いでしょう。
スリップ to スリップ 緩斜面
早いリズムを一定に保ち、落差を整えたサイドの入れ替えを交互に行なう
おもに、リズム制御を評価します。同じリズムでのサイドの入れ替えを連続して行ないましょう。
自分の意思でテールを動かし、スリップ状態からスノーボードをフォールラインへ導き、サイドを入れ替えて再びスリップ状態へ移行します。安定したスピードとリズムを維持するためには、滑走のリズムに気をつけなければなりません。
スノーボードを動かすタイミング、そのための連続したポジション調整、加減速に合わせたバランスのとり方など、リズミカルにスノーボードを動かすためのタイミングの良い動作を心がけましょう。
フォールラインに対してあまり左右に大きく動かずに、コンパクトなターンスペースでの滑走を心がけ、目的の位置まで同じリズムで滑走し、安全に停止しましょう。
ミドルターン 緩斜面
リズムを一定に保ち、落差と横幅が整ったミドルターンを行なう
トゥサイド/ヒールサイドの落差と横幅を整えて、一定のリズムのミドルターンで滑りましょう。
スノーボードを動かすタイミングがズレるとターンスペースのバランスが乱れてしまいます。
この種目ではターンスペースを一定に保つことが狙いです。連続した動作をイメージし、頭の中で動作のリズムやそれぞれのターンにかかる時間をカウントするなどして、ターンのリズムを整えましょう。
スタート位置から目的の位置まで左右対称にターンスペースを配置し、安定したスピードのミドルターンで目的の場所まで滑り下り、安全に停止しましょう。
フリーラン 緩斜面
リズムを意図的に変化させた滑走を行なう
意図的に滑走のリズムを変化させる技術が問われます。他者から見ても、自分の意思で滑走のリズムを変化させていることがわかる滑走技術で滑りましょう。
リズムとスピードの制御がはっきりとした、メリハリの有る滑走を行ない、目的の場所で安全に停止しましょう。
2級 〜スノーボードを自在に動かす技術〜
スノーボードを意図したタイミングで、動かしたい方向に、必要な分だけ動かす技術を身につけましょう。自由なスノーボーディングを実現するためには、より正確なスノーボードの制御が必要です。
2級でのターンは、サイドの入れ替えから次のサイドの入れ替えまでの間に急激なスノーボードの向きの変化が無い、滑らかなターン弧を求めています。また、自在なスノーボードの制御の観点から、ターン中にスライドレンジを大きく取りすぎたために起こるスリップ状態は減点となります。
ターン中のスノーボードの自転と公転の調和を目指しましょう。
ミドルターン 緩中斜面
リズムを一定に保ち、落差と横幅が整った滑らかなターン弧のミドルターンを行なう
滑走のリズムを一定に保ち、その中で滑らかなターン弧を描きましょう。スノーボードを動かすタイミング、方向、量のコントロールが重要です。
急激なスノーボードの向きの変化はターンシェイプに影響を与えます。思い描くターンスペース内でスムーズにスノーボードを動かしましょう。ターンのスピードは問いませんが、スライドレンジを大きく取りすぎて、ターン中にスノーボードの自転が止まるスリップ状態が見受けられると減点となります。ターン弧にあわせてスノーボードの向きが変化するように、自転と公転の調和を目指しましょう。
ショートターン 緩中斜面
リズムを一定に保ち、落差と横幅が整った滑らかなターン弧のショートターンを行なう
ミドルターン同様に、滑らかなターン弧で滑走しましょう。
ショートターンでは、小さなターンスペースの中でスムーズにスノーボードを動かし続けなければなりません。慌ててスノーボードを動かすと、落差と横幅にマッチしない急激な向きの変化が現れるターンとなってしまいます。小さなターンスペースのなかでスノーボードを動かせるポジションで運動を行ない、安定した一定のリズムで滑走し、安全に停止しましょう。
フリーラン 緩中斜面
滑走の流れを損なわないトリックや、リズムチェンジなど取り入れたフリーランを行なう
スノーボードを自分の意思で自由自在に動かす技術を評価します。
滑走の流れを損なわないトリックやリズムチェンジなど、自由な発想で滑走し、その中で安定したスピードと滑らかな滑走技術を表現しましょう。
1級 〜マテリアルの特性を活かす技術〜
より高い次元でスノーボーディングを楽しむためには、それぞれのマテリアルの特性を知り、それをうまく引き出す技術が必要になります、
スノーボードはそれ自体がターンする性能を備えています。その性能を十分に発揮させ、マテリアルの形状、しなりや反発、ねじれの強度などい、スノーボードの基本性能を引き出して、トリックや高速滑走など、スノーボードの魅力を十分に表現したライディングを行ないましょう。
ミドルターン 中斜面
リズムを一定に保ち、落差と横幅が整った滑らかなターン弧で、減速要素の少ないミドルターンを行なう
一定のリズムを維持し、滑らかな連続ターンを速いスピードの中で制御しましょう。
スノーボードのターンは、スノーボードを起こしたときにエッジで雪を削る抵抗でターンし、それと同時に減速させる力も生み出します。曲がるための力を生み出しながらも、減速させる力を極力減らすためにスライドレンジを減らす技術が必要です。
スライドレンジが小さく、滑らかで左右均等にターンスペースが配置されたミドルターンで滑走し、安全に停止しましょう。
ショートターン 中斜面
リズムを一定に保ち、落差と横幅が整った滑らかなターン弧で、減速要素の少ないショートターンを行なう
小さなターンスペースで、しかも減速要素の少ない連続ターンを行なうには、1ターン中のスライドとホールドの配分が重要になります。
スノーボードを起こすことばかりに気を取られるとスノーボードを回し込むことが困難になり、暴走してしまいます。
斜面状況を察知して、その場で可能な限り減速要素の少ないターンを目指しましょう。
フリーラン 中斜面
与えられた斜面で、”マテリアルの特性を活かした”総合的な滑走技術を表現する
スノーボードはそれ自体が曲がる性能を備えています。しかしそれだけではスノーボードの性能を十分に発揮させているとは言えません。マテリアルの性能を理解し、それを十分に引き出した滑走を行ないましょう。
1級のフリーランでは、マテリアルをうまく乗りこなしているかという観点で、スノーボードを自在に操り、その性能を引き出すライディングを評価します。