コロナウィルス対策

公益財団法人 全日本スキー連盟が検討委員を務める一般社団法人日本スノースポーツ&リゾーツ協議会は、下記の安全対策ガイドラインを策定しております。

はじめに

スノースポーツとスノーリゾートのファンの皆さま

今年も安心して楽しんでいただけるよう、業界一丸となってあらゆる面で安全対策を実施してお待ちしております。
スノースポーツは雪山の大自然の清浄な環境の中で楽しむ個人スポーツで、三密になりにくいですが、移動、ゴンドラやリフト、レッスン、宿泊、食事、休憩等にまでしっかり安全対策を実施し、お客様にもご理解ご協力を頂くことでさらに安心して楽しんでいただくことを心がけます。

スキー場における新型コロナウイルス対応ガイドライン

(令和3年6月17日改正) 一般社団法人 日本スノースポーツ&リゾーツ協議会

ガイドライン策定にあたっての考え方  スノースポーツ自体は本来ソーシャルディスタンスが保たれているものであるが、スキー場では人と人が接触する場面もあることから、安心してスノースポーツを楽しんでいただくため、当ガイドラインを作成した。新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の提言(2020年5月4日)を踏まえ、スキー場に来ていただいてからお帰りいただくまでの動線に沿ってリスクの所在、濃淡を検討するとともに、関係する団体のガイドラインも参考にし、関係省庁の助言もいただきながら作成したものである。  同提言の「各業種に共通する留意点」に沿って、いわゆる三密対策は当然であるが、入口等への消毒液の設置、マスク等の着用、換気、施設の消毒に重点を置いた措置をそれぞれの段階でとっていただき感染リスクを極力低減することを目指している。更に、新型コロナウイルス感染症対策分科会提言の感染のリスクが高まる「5つの場面」に則り、スキー場における飲食やマスクなしの会話の場面、更衣室等の「切り替わり場所」についても注意を向けることとしている(別紙参照)。今後も状況の変化などに対応し必要な見直しを行ってゆきたい。

リスク評価 スキー場の関係者は、新型コロナウイルスの主な感染経路である①接触感染、②飛沫感染のそれぞれについて、従業員及びお客様の動線や接触等を考慮した上でリスクの所在、程度を把握し、そのリスクに応じた対策を検討する。また、③地域における感染状況もリスクとして考慮しておく必要がある。 ① 接触感染のリスク評価 他者と共有する物品やドアノブなど手が触れる場を最小限にする工夫を行う。特に高頻度接触部位(テーブル、椅子の背もたれ、ドアノブ、電気のスイッチ、電話、キーボード、タブレット、タッチパネル、筆記用具、レジ、蛇口、手すり、エレベーターのボタン、エスカレーターのベルト、両替機、自動発払機など)に留意する。 ② 飛沫感染のリスク評価 施設内における換気の状況を考慮しつつ、人と人との距離がどの程度維持できるか、施設内で大声などを出す場所がどこにあるかなどを把握しておく。 ③ 地域における感染状況のリスク評価 スキー場が所在する地域の生活圏において、地域での感染拡大の可能性が報告された場合の影響について考慮する。感染拡大リスクが残る場合には、対応を強化することが必要となる可能性がある。

具体的な予防策

1 索道関係

(1)共通事項

お客様に気持ちよく楽しんでいただくために、すべてのお客様に次のことをお願いします。

  • 受付時や乗車待ちの列にいる場合には間隔をあける。
  • 乗車中もしくは近くに他のお客様やスキー場関係者等がいる場所では、マスク、ネックウォーマー又は手袋(以下、「マスク等」という)は着用したままにする。
  • 乗車待ちもしくは乗車中の会話は控えめにしていただき、チェアリフトの場合は極力前方を向いたままで座っていただく。
  • 混雑時の待ち時間を踏まえて、係員が搬器の乗車人数を決めることについてご理解をいただく。
  • 新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)や各地域通知サービスの利用を推奨する。(携帯電話の使用を控える場面では、接触確認アプリ(COCOA)を機能させるため、「電源及びBluetoothをonにした上で、マナーモードにすること」を推奨する。)

(2)特殊索道

  • 改札係員、乗客係員はマスク等を着用する。
  • 運行終了後に落下防止バー等の消毒をするのが望ましい。(運行中は危険)

(3)普通索道

  • 改札係員、乗客係員および車掌係員はマスク等を着用する。
  • 箱型搬器(ロープウェイ、ゴンドラ等)については、利用状況等を踏まえ、感染防止のための適切な措置をとることにより安心できる搬器内環境を確保するよう努める。
  • 搬器については窓を開ける等、適切な換気に努める。
  • 搬器内消毒は安全確保を図りながら状況に応じて定期的に実施する
  • その他、当該索道会社の定めるガイドラインに従う。

(4)発券所

  • チケット購入者との間には、飛沫防止シート(アクリル板等)を設置する。
  • チケット、金銭等を受け渡しする際には、キャッシュレス、受け皿での受け渡し等による非接触型に努める。

2 レストラン、売店、レンタル等

  • 係員はマスクを着用し、咳エチケットを守る。
  • 施設の入口及びトイレ入口等には消毒液を常備し、使用を促す。
  • 座席の間隔については一定の距離を確保する。
  • 感染のリスクが高まる「5つの場面」にある飲食の際の注意事項を案内する。
  • レジには飛沫防止シート(アクリル板等)を設置する。
  • 提供する料理、提供方法についても、例えば取り皿に取り分けてサーブする等感染拡大防止に努める
  • お客様が利用されるテーブル、イス等、また発券機、トイレ、手すり等々については定期的に清掃、消毒をする。なお、トイレのハンドドライヤーは停止する。
  • レンタルについては、適切に洗濯、消毒する。特に手や口が触れるようなものについては特段の配慮を行う又はレンタルの対象としない等の措置をとる。
  • 更衣室、休憩所等の屋内共用施設は「5つの場面」における居場所の切り替わりに該当し、感染リスクが高まる恐れがあることから、とりわけ三密を避けるとともに、高頻度接触部位については特に注意して定期的に清掃、消毒に努めること。入室の人数制限や換気(※)の徹底も行う。
    ※法令を遵守した空調設備による常時換気又はこまめな換気(1時間に2回以上、かつ、1回に5分間以上、又は常時換気。寒冷な場面では室温が下がらない範囲で常時窓開けする等の工夫)。必要に応じ、CO2測定装置を設置する等により、換気状況を常時モニターし1000ppm以下を維持することも望ましい。乾燥する場面では、湿度40%以上を目安に加湿する。
  • 以上の項目に加えて、レストランの感染防止策については、「外食業の事業継続のためのガイドライン」、売店の感染防止策については、「小売業の店舗における新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」を参照すること。

3 パトロール隊

  • パトロール隊員は常にマスク等を携行し、救助活動をする際には臨機応変に着用するものとする。
  • 救助活動で使用した備品(車両を含む)は使用後消毒する。

4 スキースクール

(1)受付

  • 係員はマスクを着用し、咳エチケットを守る。窓口には消毒液を設置し、来訪者に使用してもらう。
  • 受付付近の飛沫予防対策を実施する。また、随時消毒(イス、机、筆記用具等)を行う。
  • お客様同士が一定の距離を保てるスペース(できるだけ2mを目安に(最低1メートル))を確保する。
  • 定期的な換気を行う(※)。
    ※法令を遵守した空調設備による常時換気又はこまめな換気(1時間に2回以上、かつ、1回に5分間以上、又は常時換気。寒冷な場面では室温が下がらない範囲で常時窓開けする等の工夫)。必要に応じ、CO2測定装置を設置する等により、換気状況を常時モニターし1000ppm以下を維持することも望ましい。乾燥する場面では、湿度40%以上を目安に加湿する。
  • 非接触型での決済方法を奨励する。
  • お客様の検温を行い健康状態の確認をする。発熱等の風邪症状や嗅覚味覚障害等が確認された際は入校をお断りする。
  • 事前予約のお客様には、各人の健康確認のお願いと、当日発熱等の風邪症状や嗅覚味覚障害等が確認された際は入校をお断りする場合があることを説明しておく。

(2)集合場所

  • 屋外屋内を問わず、一定の距離が保てるスペースを確保する。

(3)レッスン

  • インストラクターはマスク着用又はネックウォーマーの類を口、鼻まで上げて着用する。
  • お客様の立ち位置及びインストラクターの立ち位置は、状況に応じて、他の滑走者に対しての安全が確保されると思われる範囲で距離を保つことを推奨する。
  • トレーンにおいては適切な間隔を保つ。
  • 初心者、初級者、子供へのレッスンにおいては、濃厚接触に対して更なる留意を行う。特に呼気を近づけない事に留意する。また、共有する用具等については、留意事項を関係者と協議する。
  • 教育旅行等のグループレッスンは、学校、主催者の意向に留意する。

(4)室内ミーティング

  • 三密を避ける環境で行う。その環境が準備できない場合は屋内では行わない。
  • 定期的な換気を行う(※)
    ※法令を遵守した空調設備による常時換気又はこまめな換気(1時間に2回以上、かつ、1回に5分間以上、又は常時換気。寒冷な場面では室温が下がらない範囲で常時窓開けする等の工夫)。必要に応じ、CO2測定装置を設置する等により、換気状況を常時モニターし1000ppm以下を維持することも望ましい。乾燥する場面では、湿度40%以上を目安に加湿する。
  • 教育旅行等においては、実施について学校、主催者の意向に留意する。

(5)リフト、ゴンドラ乗車

(6)屋内休憩

  • マスク着用又はネックウォーマーの類を口、鼻まで上げて着用する。
  • 互いの距離が保てることを推奨する。
  • 定期的な換気を行う(※)
    ※法令を遵守した空調設備による常時換気又はこまめな換気(1時間に2回以上、かつ、1回に5分間以上、又は常時換気。寒冷な場面では室温が下がらない範囲で常時窓開けする等の工夫)。必要に応じ、CO2測定装置を設置する等により、換気状況を常時モニターし1000ppm以下を維持することも望ましい。乾燥する場面では、湿度40%以上を目安に加湿する。

(7)インストラクターの滞在及び健康管理

  • 宿舎内においては当該宿舎のガイドラインに従うことが前提ではあるが、健康管理及び生活環境に十分留意する。
  • 検温及び健康チェックを毎日実施する。

(8)感染発症の際の対策

  • 発熱時及び発症が疑われる際の医療関係との連携を確認しておく。
  • 発熱時及び発症が疑われる際の隔離体制を確認しておく。

(9)その他

5 宿泊施設

(1)留意すべき基本原則

  • 従業員と宿泊客及び宿泊客同士の接触をできるだけ避け、対人距離(できるだけ2mを目安に(最低1m))を確保する。
  • 感染防止のための宿泊客の整理(チェックイン・アウト時に密にならないように対応)
  • ロビー、大浴場、食事処、レストラン等、多くの宿泊客が同時に利用する場所での感染防止
  • 入口及び施設内の消毒液の常備
  • マスクの着用(従業員及び宿泊者、入館者に対する周知)
  • 施設及び客室の換気(※)
    ※法令を遵守した空調設備による常時換気又はこまめな換気(1時間に2回以上、かつ、1回に5分間以上、又は常時換気。寒冷な場面では室温が下がらない範囲で常時窓開けする等の工夫)。必要に応じ、CO2測定装置を設置する等により、換気状況を常時モニターし1000ppm以下を維持することも望ましい。乾燥する場面では、湿度40%以上を目安に加湿する。
  • 施設内の定期的な消毒
  • 宿泊客への定期的な手洗い、消毒の要請
  • 従業員の毎日の検温、健康チェック

(2)各エリア、場面の共通事項

  • 他人と共有する物品や手が頻繁に触れる箇所を工夫して最小限にする。
  • 複数の人の手が触れる場所を定期的に消毒する。
  • 手や口が触れるようなもの(コップ、箸など)は、適切に洗浄及び消毒する、または使い捨てにするなど特段の対応を図る。
  • 人と人が対面する場合は、距離を保つ又はアクリル板、透明ビニールカーテンなどで飛沫感染を防止する。
  • ユニフォームや衣服はこまめに洗濯する。
  • 手洗いや手指消毒の徹底を図る。
  • 宿泊客や従業員がいつでも使えるようにアルコール液を施設内(客室、風呂、共用トイレ等)に設置する。
  • 宿泊客、従業員の中に無症状感染者がいる可能性があることを踏まえて、感染防止策を取る。
  • 自社バスでの送迎の場合は、密集しないよう人数を制限して運行する。

(3)各エリアの留意点について

従業員に関する対策

  • 個人でできる健康管理 (手洗い、手指消毒の励行)を徹底する。
  • 従業員はマスク等を着用する。
  • 通勤時には咳エチケットやマスクの着用、対人距離の保持等について、個人できる感染予防策をとる。
  • 室内はこまめに換気を行う。
  • 通用口に アルコール消毒液を設置し、手指消毒を行ってから入館する。
  • 就業前、就業中の手洗い、手指消毒を徹底する。
  • 始業時における健康状態の確認を行う。
  • 感染リスクを低減するため、一定の対人距離を保持する。
  • 会話する際には可能な限り正面を避ける。
  • 食事中の会話は控え目にする。
  • ユニフォームは、こまめに洗濯を行い、清潔を保つ。
  • 体調のすぐれない従業員は、直ちに責任者に連絡を取り、その指示に従う。
  • 家族に感染者や感染の疑われる者がいる場合は、出勤を見合わせ、最寄りの医療機関に連絡を入れ、その指示に従う。
  • 執務スペースでの留意点については、上記に加え、「オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」」を参照すること。

(注)5 宿泊施設 の部分は全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本旅館協会、全日本シティホテル連盟による「宿泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン」を引用した。

スキー場における新型コロナウイルス対応チェックリスト

1 チェックリストの位置づけ

 スキー場における新型コロナウイルス対応ガイドラインの適切な運用を図るためにこのチェックリストを作成した。事業者におかれては、それぞれの事業形態に即してこれを参考にしていただきたい。なお、所謂ルーティンオペレーションについては、①接触感染のリスク、②飛沫感染のリスクの観点から点検を行い、それぞれの施設に応じた具体的なチェックリストを作成し、日々、ルーティンとして消毒、清掃等を行うことが望ましい。

2 チェックリストを導入するメリット

 チェックリストを導入することで感染リスクを下げることが可能であり、経営リスクも減少し、来場者も安心して安全に利用することができる。新型コロナウイルスが持続する中では、利用者が安全と安心を求めており、その要求にこたえることにより、利用者に選ばれるスキー場となり継続的な営業が可能となる。

3 新型コロナウイルス感染防止の考え方

 新型コロナウイルス感染症は、適切な感染防止対策を行えば、感染リスクを減らすことができる。しかし、新型コロナウイルスの特性上、感染リスクをゼロにすることはできないため,感染が起こることを想定して感染防止対策を取ってゆく。

4 チェックリストの構成

 チェックリストは、主な感染経路である接触感染と飛沫感染及び従業員対策に分け、主要な感染防止対策をリストアップした。事業者におかれては、これを参考にそれぞれの事情を踏まえたチェックリストを作成され感染防止対策を図られることを望む。

チェックリスト

接触感染防止対策

  • 施設の入口など必要箇所に消毒液を設置する。
  • 手洗いや手指消毒の徹底を図る。
  • 複数の人が手を触れる場所を定期的に消毒する。
  • レンタルについては適切に洗濯、消毒する。
  • ユニホームはこまめに洗濯する。
  • チケット、金銭等の受け渡しは非接触型に努める。
  • 料理についても、例えば取り皿に取り分けて提供する等感染防止に努める。

飛沫感染防止対策

  • マスク等を着用する。
  • 一定の対人距離が保てるよう配慮する。
  • チェックイン、チェックアウト時や、受付時、搬器の乗車時など、密にならないよう配慮する。
  • 屋内、箱型搬器について換気に努める。
  • レジ等には、飛沫防止シートを設置する。
  • 所謂感染リスクが高まる「五つの場面」にある飲食の際の注意事項を利用者に案内する。

従業員対策

  • 個人でできる健康管理を徹底する。
  • 始業時に健康状態の確認を行う。
  • 体調のすぐれない従業員は、直ちに責任者に連絡を取り、その指示に従う
  • 家族に感染者や感染の疑われる者がいる場合は、出勤を見合わせ、最寄りの医療機関に連絡を入れ、その指示に従う。